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ベトナム:政治的混乱のなかで弾圧が激化

批判封じ込めのため 自由権を踏みにじる政府

(左から右)チン・バ・フオン氏、チン・バ・トゥ氏とカン・ティ・テウ氏、フィン・ンゴック・トゥアン氏 © Private.

(バンコク)―共産党指導部が権力を強化するなか、ベトナム政府は2025年、反体制派や政府批判者とみなされた人びとを当局が厳しく弾圧したと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日発表の『世界人権年鑑2026』内で述べた。

ベトナム政府当局は、信教の自由、土地への権利、先住民の権利、汚職などの問題をソーシャルメディア上で提起した人びとを逮捕・訴追のターゲットにした。

ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア地域シニア・アソシエイト・ディレクター パトリシア・ゴスマンは、「共産党指導部が国際的により認められることや貿易協定締結を目指す中で、ベトナム政府による基本的自由に対する弾圧はエスカレートしている」と指摘する。「援助国および貿易パートナーはベトナム政府に対し、人権侵害を伴う国内法を改正し、基本的権利を行使したために収監されているすべての人びとを即時釈放するよう、おおやけに、かつ水面下でも圧力をかけるべきだ。」

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、36年目の刊行となる年次報告書『世界人権年鑑2026』(全529頁)で、100カ国以上の人権状況を検証した。フィリップ・ボロピオン代表は序文で、世界を席巻する権威主義の波を食い止めることは、現代の世代にとっての重大な課題であると述べた世界の人権システムが米・トランプ政権やその他の権威主義国による前代未聞の脅威にさらされる中、基本的自由を擁護するため、ボロピオンは人権を尊重する民主主義国家と市民社会の強い団結を呼びかけた。

  • 2025年、ベトナムには160人超の政治囚がおり、少なくともさらに40人が政府を批判したとして拘禁された。
  • 信教の自由、土地への権利、先住民の権利、政府や共産党の汚職などの問題をソーシャルメディアでおおやけに提起した人びとを標的に、政府が刑法第331条の適用を強化。2025年は少なくとも32人が同条に基づく拘禁刑を言い渡された。ベトナムは独立した労働組合を認めておらず、批准を約束していた国際労働機関(ILO)の結社の自由及び団結権の保護に関する条約第87号を批准しなかった。
  • ベトナムの刑事司法制度は独立性および公平性を欠いている。当局が結社・信教・移動の自由を厳しく制限。検察と裁判所は被告の名誉を傷つけるため、しばしば移動公開裁判を実施しており、2025年には全国で数十件の裁判が行われた。

ベトナムは対立候補のいない選挙で2025年に国連人権理事会理事国に再選出された。

ベトナム政府は組織的な人権侵害を直ちに停止し、市民的・政治的権利を平和的に行使したために収監されているすべての囚人および被拘禁者を釈放すべきだ、とヒューマン・ライツ・ウォッチは述べた。国際貿易パートナーおよび援助国はベトナム当局に対し、国際人権基準に則した法律および慣行の改正を強く求めなければならない。

皆様のあたたかなご支援で、世界各地の人権を守る活動を続けることができます。

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