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中国:弾圧が深刻化し、国外にも拡大

チベット、ウイグル系住民そして非公認教会の権利に対する激しい抑圧

香港の裁判所の外で黎智英(ジミー・ライ)氏が移送車両に移送される様子、2025年12月15日。 © 2025 Photo by Keith Tsuji/Getty Images

(バンコク)―中国政府は2025年に全土で弾圧を強化したと、ヒューマン・ライツ・ウォッチは本日発表の『世界人権年鑑2026』内で述べた。

習近平国家主席は政府を動かし、自身と中国共産党への厳格なイデオロギー的服従および忠誠を強制した。チベット系やウイグル系住民、そして非公認教会の信者などの独自のアイデンティティを持つコミュニティは、もっとも厳しい権利の弾圧にさらされている。香港に対する弾圧もエスカレートしている。

「習近平政権下の中国政府は、基本的自由に対する弾圧を拡大・深化し、ますます悲惨な人権侵害の実績を積み重ねている」とヒューマン・ライツ・ウォッチ アジア局 アソシエイト・ディレクターの王松蓮(マヤ・ワン)は述べた。「諸外国政府は、中国政府が国際人権システムに及ぼす脅威に対抗する姿勢をほとんど示していない。中国国内における人権問題に対してはなおさらだ」。

ヒューマン・ライツ・ウォッチは、36年目の刊行となる年次報告書『世界人権年鑑2026』(全529頁)で、100カ国以上の人権状況を検証した。フィリップ・ボロピオン代表は序文で、世界を席巻する権威主義の波を食い止めることは、現代の世代にとっての重大な課題であると述べた世界の人権システムが米・トランプ政権やその他の権威主義国による前代未聞の脅威にさらされる中、基本的自由を擁護するため、ボロピオンは人権を尊重する民主主義国家と市民社会の強い団結を呼びかけた。

  • 習近平国家主席は8月にチベット、9月には多くのウイグル系住民が居住する新疆ウイグル自治区を訪問。強力な統制力を示すのが主な目的だ。政府は、少数民族の弾圧の正当化やイデオロギー統制の強化、国外での統制の促進などを内容とする法案を可決するとみられる。ウイグル系住民は依然として数千人が不当に投獄されている。また、チベットで宗教指導者ダライ・ラマの90歳の誕生日を祝うことも禁じられた。
  • 香港当局が厳しい国家安全維持法を施行してから5年、弾圧は急速にエスカレートしている。香港で唯一活動していた民主派政党の社会民主同盟(League of Social Democrats)は解党。国安法が初めて、海外を拠点にする批評家で民主派リーダーのアンナ・クォック氏の香港在住の家族を訴追するために適用された。廃刊となった蘋果日報(アップルデイリー)の創業者ジミー・ライ(黎智英)氏を含む多くの民主派リーダーも依然として投獄されている。
  • 中国政府による宗教の「中国化」、つまり党のイデオロギーを広めるための改造キャンペーンは、公式教会への加入を拒否するプロテスタント系「家庭教会」への取り締まり強化につながっている。山西省の裁判所は4月、臨汾金灯台教会関係者10名以上に対し「詐欺」罪で有罪判決を下したと報じられた。10月にはシオン教会の牧師を含む関係者30名近くが逮捕された。
  • 当局は基本的権利を行使した人ひとを恣意的に拘禁し、投獄している。
  • 政府の人権侵害に抗議する国外在住者の声が高まるなか、中国政府は批判者を沈黙させようとする動きを強めており、国内の家族や友人への嫌がらせや帰国した者の投獄といった、いわゆる「国境を越えた弾圧」行為を行っている。近時の例としては、フランスを拠点とする学生活動家タラ・チャン・ヤディ(張亜迪)氏の逮捕や、ニューヨークで開催されるインディチャイナ映画祭を中止するよう映画制作者らに圧力をかけたことなどが挙げられる。

中国政府は新疆ウイグル自治区における人道に対する罪などの人権侵害を即時停止し、香港国家安全維持法を廃止し、チベットおよび新疆への独立系監視団体のアクセスを認め、中国全土で拘禁されている人権活動家を釈放すべきである。

皆様のあたたかなご支援で、世界各地の人権を守る活動を続けることができます。

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